羽生選手の連覇、日本人初の金銀メダル獲得、ネイサン・チェン選手の伝説になりそうなフリー。
平昌オリンピック、フィギュアスケート男子個人戦は4回転の応酬、美演技の応酬で、まれに見るハイレベルな闘いでした。
そんなひとつのミスも許されない状況の中で、後々まで語り継がれていくであろう偉業の数々が生まれました。
羽生結弦選手がすごいってみんなが言ってるけど、どんな風にすごいの?何がすごいの?という方、この記事を読んでいただければ、すぐに分かりますよー!
銀メダルを獲得した宇野昌磨選手や、フリーの大逆転劇で盛り上げたネイサン・チェン選手についてもまとめております!
羽生結弦、66年ぶりのオリンピック2連覇
羽生結弦選手が、ソチオリンピック、平昌オリンピックの2連覇を成し遂げました。
フィギュアスケートの男子シングルとしてはディック・バトン氏以来のなんと66年ぶりの快挙です。

選手生命が短めである競技なだけに、連覇というのは本当に難しく偉業だということですね。
あのプルシェンコも連覇は出来なかった
ロシアのエフゲニー・プルシェンコをご存知でしょうか?
フィギュアスケート界の「皇帝」と呼ばれるレジェンドです。
現在はコーチをしていたり、アイスショーに出演しています。
この写真で羽生くんの隣に写っている方ですね。
このエフゲニー・プルシェンコさん、なんとオリンピックには四回出場しています。
その成績を見てみましょう。
プルシェンコ 五輪成績
- ソルトレイクシティ 銀
- トリノ 金
- バンクーバー 銀
- ソチ 団体で金(個人戦は棄権)
オリンピックに出たら絶対にメダルを獲る男なんだということがお分かりいただけるでしょう。
そんな皇帝・プルシェンコでも、いやプルシェンコですら、連覇はなりませんでした。
プルシェンコを尊敬するスケーターは世界中にたくさんいて、羽生くんもその中の一人です。
その尊敬しているプルシェンコですら、なしえなかったオリンピックの連覇を羽生結弦はやってのけました。
ケガが治っていなかったのに連覇した
2017年のNHK杯の練習中、羽生選手は超大技4回転ルッツを練習の着地に失敗し、右足首を負傷しました。
↑同じくNHK杯に出場したジェイソン・ブラウン選手が、KISS&CRYでこんなメッセージを送ってくれて、話題になりました。
右足首といえば、全てのジャンプで着地するときに使う足です。
NHK杯は11月でしたが、その後の全ての試合を欠場。
平昌オリンピックの団体戦も間に合わないという、まさにぶっつけ本番の状態で個人戦にのぞみました。
オリンピックの後で分かった、ケガの状況をまとめると、こんな感じ。
- 2017年NHK杯でのケガのあと、2カ月氷に乗れなかった
- 練習を始めたのはオリンピックの1か月前
- 4回転ジャンプの練習を始めたのはオリンピックの2週間半前
- 痛み止めを飲まないと滑れなかった
まさに気力で闘ったオリンピックだったんですね。
ここだけの話、私、羽生選手はメダルはとれても金は無理なんじゃないか…と思っていました。
本当にすみませんでした。
あなたのことを心から尊敬いたします。
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羽生選手の連覇もすごかったけれど、羽生選手と宇野昌磨選手の1、2フィニッシュ!!
これは興奮しました!
なぜなら、オリンピックのフィギュアスケート競技で日本人選手が二人も表彰台に昇ることは、初めてのことだからです!
すばらしい!
ここで、ソルトレイクシティオリンピック以降の日本男子選手の活躍を見てみましょう。
- ソルトレイクシティ4位 本田武史
- トリノ8位 高橋大輔
- バンクーバー銅メダル 高橋大輔
- ソチ金メダル 羽生結弦
- 平昌金メダル 羽生結弦 銀メダル 宇野昌磨
こうして見てみると、先人達がつないできたものを、羽生選手や宇野選手が受け取り、金メダルや銀メダルとして結果を残したのだいうことが分かりますね。
フィギュアスケートは長らく欧米の競技でした。
芸術面も重視される競技ですから、アジア人や黒人には点数の出にくい面がありました。トンチンカンな話ですね。
実際、オリンピックにおける男子シングルの金メダル獲得国はアルベールヴィルからトリノまで、4大会連続でロシアが獲得しています。(ソ連時代含む)
ロシアすごいですね・・・。
日本はといえば、トリノでは出場枠が1つしかなかったのがバンクーバーでは3つになり、高橋大輔さんが銅メダルを獲得してくれました。
歴史を変えてくれましたね。
そして今回は羽生選手、宇野選手がまた歴史を変えてくれました。
宇野選手は「オリンピックに対して特別な思いはなく、試合のひとつと思って滑った」とインタビューで話してますから、本当に強心臓の持ち主ですね。
↓二人のメダル獲得を祝うジェイソン・ブラウンのツイート。
とってもうれしい〜!!!ゆずるくんとしょうまくん、おめでとうございます!!! pic.twitter.com/BZJR82tHMd
— Jason Brown (@jasonbskates) 2018年2月18日
↓浅田真央さんのインスタグラム。
浅田真央さんの、バンクーバーやソチでのトリプルアクセルについてまとめている記事はこちらです。
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ネイサン・チェンの伝説フリー 17位から5位へ
ショート17位→フリー1位→総合5位
ネイサン・チェン選手はこちらの方です。
ネイサンは、2017-2018シーズンは全戦全勝しており、オリンピックも金メダル候補のひとりでした。
ところが、個人戦の前に行われた団体戦では、いつものキレッキレのジャンプが身を潜め、残念な内容となってしまいました。
果たして個人戦で立て直してくるのかどうなのか・・・というところでしたが、全てのジャンプにミスが出てしまったショートプログラムは、まさかの17位。
そして一夜あけた、運命のフリープログラム。
ネイサンは、ショート17位からフリーで12人抜きし、5位入賞しました!
まず、ショートプログラムの上位4人は100点を超えていました。
- 羽生結弦 111.28
- ハビエル・フェルナンデス 107.58
- 宇野昌磨 104.17
- ボーヤン・ジン 103.32
- ネイサン・チェン 82.27
羽生選手との点差はなんと29.41点・・・。
ざっくり言うと3アクセル3本分の差がついてしまっています。
では、フリースケーティングだけの点数を見てみましょう。
- ネイサン・チェン 215.08
- 羽生結弦 206.17
- 宇野昌磨 202.73
- ハビエル・フェルナンデス 197.66
- ボーヤン・ジン 194.45
ななななんということでしょう・・・。
フリーだけの点数で見ると、なんと羽生選手を抑えての1位だったのです・・・!
こうしてショート17位の悪夢から、フリー1位で総合5位という後々まで語られるであろう伝説のフリーを見せてくれたのでした。
興奮したな~
宇野昌磨選手も「オリンピックで一番感動したのはネイサンのフリー」と言っていました。
ソチオリンピックのときに、浅田真央さんがショート16位からフリーで大逆転をして6位まで順位をあげましたが、そのときのことを彷彿させるという意見もありましたね。
「羽生選手、宇野選手が日本人史上初の金メダル&銀メダル獲得!」の項でご紹介しているインスタグラムで、真央さん自身もネイサンに向けてメッセージを送っています。
オリンピック初の4回転ジャンプ6本
ネイサンのフリーにはもうひとつの伝説が残りました。
ネイサンは、オリンピックで初めて4回転を6本跳んだ選手になりました!(拍手!)
ひとつだけステップアウトしてしまったジャンプがありましたが、ほか5本は全てクリーンに着氷するという、宇宙人的演技。
4回転ジャンプだけ抜粋してみましょう。
- 4ルッツ
- 4フリップ+2トーループ
- 4フリップ
- 4トーループ
- 4トーループ+3トーループ
- 4サルコウ
すご・・・。
フィギュアスケートを長く観戦されている方はご存知かと思いますが、
バンクーバーオリンピックの時には、4回転を跳ばなかったエバン・ライサチェク(USA)が金メダルだったんですよね。
そのわずか8年後、フリーで4回転を6本着氷させる選手が出てくるなんて誰が想像できたでしょうか?
ネイサン、改めて、すごい!!
ネイサンがどんな人なのか、どんな魅力があるのかをまとめた記事はこちらです。
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最後に
平昌オリンピックは、本当に本当に熱い闘いを見せてもらいました。
この歴史に残る闘いを記録に残しておきたく、こうして記事にさせていただきました。
ソチオリンピックが終わったときに平昌オリンピックがどうなるのか全く想像がつかなかったように、
平昌オリンピックが終わったばかりの今は、次の北京オリンピックがどんな展開になるのか、全く想像がつかないですね!
けれど変わらないのは、選手たちのフィギュアスケートにかける思いや演技はいつも素晴らしく、尊敬に値するということです。(いいこと言った)
フィギュアスケートって、やっぱりいいね!
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