この記事ではオリンピックでの女子選手のトリプルアクセルについてご紹介しています。
女子選手のトリプルアクセルは超大技なことで有名ですが、オリンピックでは成功している選手は今までに3人います。
- 伊藤みどり
- 浅田真央
- 長洲未来
何か気づいたことはありませんか?
そう、3人とも日本の血が流れているのです!(長洲未来選手はアメリカ国籍ですがご両親が日本人です)
偉大な記録を打ち立てた、3人の女子選手たちについて見ていきましょう!
初めてオリンピックでトリプルアクセルを決めたのは伊藤みどり

アルベールビルオリンピック(1992年)で、伊藤みどりが女子として初めて、トリプルアクセルに成功しました。
当時23歳です。
それまでの公式試合でも何度もトリプルアクセルアクセルは決めていて、1991-1992のオリンピックシーズンの前半戦は、トリプルアクセルは絶好調でした。
ところが……。
アルベールビルオリンピックでのショートプログラム当日朝の公式練習では、トリプルアクセルが全く決まらなくなってしまいました。
そこでトリプルアクセルを回避し、トリプルルッツにジャンプを変更して臨みますが、このルッツを転倒。
ショートは4位に終わります。
メダルを持って帰りたい伊藤みどりとしては、もう崖っぷちです。
全てはフリーに託されました。
フリーの予定構成はこちらです。
フリー予定構成
- 3ルッツ+3トーループ
- 3アクセル+2トーループ
- 3フリップ
- 3ループ
- 3アクセル or 3ルッツ (そのときの気分)
- 3サルコー
- 2アクセル
なんと、最初の3ルッツ+3トーループは失敗してしまいます。
3ルッツが2回転になってしまうんですね。
続いてトリプルアクセルですが……これはなんと転倒してしまいます!

えーっ、オリンピックで初めてトリプルアクセル成功したんじゃなかったの?!
実は伊藤みどりがトリプルアクセルを成功させたのは、後半にもう一度飛んだ時なんですね。
選択肢は二つありました。
- 3ルッツにするか
- トリプルアクセルにするか
伊藤みどりは「後悔したくない」と瞬時に判断してトリプルアクセルを飛びました。
これが、オリンピックで女子として初めて成功したトリプルアクセルになりました。
バンクーバー、ソチで成功させた浅田真央


バンクーバーで驚異のトリプルアクセル3本
浅田真央といえばトリプルアクセル。
トリプルアクセルは浅田真央の代名詞と思う方も多いでしょう。
実際、彼女はそのスケート人生をトリプルアクセルと共に歩んできました。
浅田真央はもともと伊藤みどりの大フォンなんですよね。
そして、伊藤みどりも浅田真央も、山田満知子コーチの元でトリプルアクセルをマスターしました。



山田満知子さん、すごっ
バンクーバーオリンピックでは韓国のキム・ヨナとの一騎討ちに注目が集まりました。
が、もうひとつの注目を集めたもの、それは浅田真央のトリプルアクセルでした。
浅田真央がバンクーバーで決めたトリプルアクセルは3本です。
- ショートプログラムで1本
- フリースケーティングで2本
ルール上、ショートとフリー合わせてトリプルアクセルを飛べる回数は最高3本です。
実は、浅田真央はバンクーバーオリンピックのあった2009-2010シーズンのグランプリシリーズでは、一度もクリーンなトリプルアクセルを飛べていませんでした。
ところがふたを開けてみれば……
浅田真央はバンクーバーオリンピックで、非のつけどころのない完璧なトリプルアクセルを3本バシィッッと決めました!



すんげぇ・・・ほんとに3本決めた・・・
3本クリーンに降りたことももちろん衝撃でしたが…。
でも私がそれ以上に衝撃を受けたのは、シーズンの前半は好調とは言えなかったなか、オリンピックに全神経を集中させ、絶対にトリプルアクセルを決めるという覚悟を持ち、それを実現した。
そうです。
その精神力が私には何よりも衝撃でした。
ソチの「伝説のフリー」で1本
フィギュアスケートはソチオリンピックから団体戦が採用されました。
このため、浅田真央さんがソチで飛ぶトリプルアクセルは合計3本ありました。
- 団体戦 ショートプログラム
- 個人戦 ショートプログラム
- 個人戦 フリースケーティング
ところが、団体戦と個人戦のショートでのトリプルアクセルは失敗してしまいます。
しかも、個人戦のショートプログラムは他のジャンプにもすべてミスが出てしまい、まさかの16位。
一夜明け、世界中のフィギュアスケートファンが見守るなか浅田真央はひとりリンクに立ちました。
同じグループで滑った村上佳菜子さんが、テレビ番組で
「すごく集中しているのが分かったし、今は真央ちゃんに話しかけちゃいけないなって、初めて思いました」
と話していたことがありました。
トリプルアクセルはプログラムの一番最初に飛ぶジャンプです。
見事に着氷します。
鳥肌ゾワァッでした。
著作「浅田真央 私のスケート人生」のなかで、このときのことをこのように話しています。
あのリンクのなかで、自分ひとりでした。スポットに入り込んだような気がして、もう周りのことも気にならず、オリンピックの雰囲気にのみ込まれることもなく、あの場で自分が滑っていた。不思議でした。ゾーンに入るというのか……。トリプルアクセルを降りたときには『救われた』と思いましたし、そのまま一つひとつ、無心に滑っていった感じです。
すごいですよね。
「ゾーンに入る」っていう言葉、フィギュアスケート選手はよく使う気がしますが
オリンピックのあの舞台で、そしてショートで失敗を重ねてしまったあの状況でゾーンに入る集中力。
もうすごいという言葉しか出てきません。
24歳のオリンピックで決めた長洲未来


みなさん、ご存知ですか?
長洲未来選手ってバンクーバーオリンピックでは4位だったんですよ。
バンクーバー五輪の順位
- 金 キム・ヨナ
- 銀 浅田真央
- 銅 ジョアニー・ロシェット
- 4位 長洲未来
- 5位 安藤美姫
このメンツの中で4位だったんですよ!
私、個人的にはジョアニー・ロシェットの演技よりも長洲未来の演技の方が印象に残っています。
本当に会心の演技でした。
このバンクーバーオリンピックで浅田真央のトリプルアクセルを見た長洲未来は
「自分も飛びたい」
と思ったそうです。
しかし、バンクーバーの次のソチではオリンピックの代表から落選します。
体型の変化が重なった時期でもあり、難しかったんでしょうね。
平昌オリンピックのあった2017-2018シーズンを迎え
「長洲未来がトリプルアクセルに挑む」
という情報を聞いたとき、私は心底驚きました。



えー、もう24歳だよね?最近調子もよくないみたいだけど…跳べるのかな?
ですが、シーズン最初のロステレコム(グランプリシリーズ)を見たとき
あっ、すごく体が絞れている
と結構びっくりしました。
そして、本気だ、ガチなんだ、ということが伝わってきて応援しようと決めました。
平昌オリンピックでは、団体戦で見事にトリプルアクセルを決めます。
これで長洲未来はフィギュアスケートの女子3人目の快挙を果たしました。
what a day(なんて日なの)とInstgramでコメントしていますね。
トリプルアクセルを決めた演技が終わってすぐの写真かと思われます。
団体戦で長洲未来の演技を見守っていたアダム・リッポンの涙がとても印象的でした。
浅田真央さんもInstagramで祝福していましたね。
まとめ:トリプルアクセルをオリンピックで成功した女子選手は、みんな日本の血を引いている
オリンピックでトリプルアクセルを成功させた女子選手は、たった3人。
その3人は、みんな日本の血が流れているんですよね。
トリプルアクセルに挑む女子選手がどんどん増えていますが、次にオリンピックで成功するのは誰でしょうか?
もしかしたら、また日本の選手かもしれませんね!
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