初詣や神社仏閣訪問でおみくじを引くのを楽しみにする人は多いですが、伊勢神宮を訪れる人たちは少し異なった体験をします。
正月には約62万人が伊勢神宮を訪れるのですが、その中にはおみくじがないことを知らないで訪れる人もいます。実際、この神聖な場所にはおみくじが用意されていません。
約2000年の長い歴史を持つ伊勢神宮に、なぜおみくじがないのかというと、それは神宮の特別な信仰と伝統に関係しています。
私が自分で伊勢神宮を訪れて確認したところ、外宮と内宮を巡ってもお守りやお札はあるものの、おみくじはどこにもありませんでした。
伊勢神宮におみくじがない理由
伊勢神宮におみくじがない理由は、参拝する日がみな「吉日」とされているからです。
交通手段が発展する前は、伊勢参りには数日間かかることが多く、無事に到着し参拝できたこと自体が大吉とされていたのです。江戸時代には「一生に一度は伊勢参り」という言葉もあり、参拝がかなうとそれだけで大吉とされていました。
さらに、伊勢神宮の内宮の主祭神は天照大神で、皇室の先祖神です。そのため、個人的なお願い事や貢物を行うことが伝統的に禁じられており、おみくじのような個人的な占いも行われていません。
参拝者には、国の平安や無事に過ごせることへの感謝を捧げることが勧められています。
伊勢神宮周辺で個人の願いを叶えるための場所
伊勢神宮ではおみくじを引いたり、個人的な願い事をすることができないかもしれませんが、心配はいりません。
伊勢には、個人的な願いをかけることができる別の神社が存在しますので、そちらをご案内しましょう。
多賀宮への訪問
多賀宮は高台に位置し、かつて「高宮」と呼ばれていた神社です。ここは長い階段を上ったところにあり、個人の願いを込めるのに適した場所です。
荒祭宮の参拝
また、荒祭宮も階段を登ったところに位置しています。伊勢神宮は砂利道が多く、階段もありますので、参拝の際は歩きやすい靴を選ぶと良いでしょう。
参拝の際の作法については、オンラインで見られる動画が役立ちます。
一般的に知られている二礼二拍手一礼の方法ですが、二拍手するときに右手の指先を少し下にずらすのが正しい作法です。
伊勢神宮を訪れる際には、これらの神社も訪れてみることをお勧めします。
伊勢神宮周辺での特別な体験
伊勢神宮ではおみくじを引くことはできませんが、近くのおかげ横丁で特別な「干支みくじ」を体験することができます。
これは陶器製で、自分の干支や今年の干支を選んで楽しむことができます。伊勢神宮訪問の際に、ここで運勢を占ってみるのはいかがでしょうか?
伊勢神宮にないもの
伊勢神宮には、他の神社にはあるがここにはないものがいくつかあります。
狛犬がいない
狛犬は江戸時代に普及しましたが、伊勢神宮が建立された当時はまだ日本にはなかったのです。
注連縄がない
注連縄は出雲大社や諏訪大社で有名ですが、伊勢神宮には正宮や拝殿には見られません。
榊を使用
伊勢神宮では、神聖な場所を示すために「榊」を使用しています。榊は「境界を示す木」という意味があり、鳥居や神社の垣根に飾られています。
特別な賽銭箱
伊勢神宮の内宮と外宮の正宮には、通常の賽銭箱はありません。代わりに白い布で覆われた場所があり、そこに参拝者がお賽銭を捧げます。
伊勢神宮の魅力は、2000年以上の長い歴史と変わらない伝統にあります。
まとめ
歴史上の重要人物が訪れた伊勢神宮を訪れると、感慨深い体験になります。「一生に一度はお伊勢参り」と言われた時代から比べると、現在はずっと簡単に訪れることができます。今年、伊勢神宮への訪問を計画してみてはいかがでしょうか?
この記事では、「伊勢神宮におみくじがない理由と、そこにない他のもの」について詳しく紹介しました。
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